Endless my life

Endless my life

 

永遠亭のある日の事、
私は何時も通りの日々を過ごしていた。
外には基本的に出ることはなくただただ時間が流れていくだけの生活。
いやそもそも時間すらこの場所には流れていない。
永遠亭は私の能力のおかげで何時までも止まったまま。
建物は古びる事なく、私たちも老いることはない。
すると誰かが私の部屋の戸を開けた。
 
「姫様、昼食の準備が出来ましたよ」
 
永淋だった。
私と共に月からこの幻想郷まで来てくれた、私にとって大事な人物だ。
食事は基本的に永淋が担当しており、雑用は鈴仙の担当だった。
正直に言うと、永淋には悪いが、
永淋の料理は上手でもなく下手でもなかった。
私は料理はけっこう得意な方だがやる気がないのでやらなかった。
 
「姫様、もし永遠亭の時間が止まっていなかったら、私たちがここに来てからどれぐらいの時間がたったのでしょうか?」
 
永淋は急な問いかけをした。
私は懐かしむ様にこう答えた。
 
「そうね、一体どれぐらいの時間がたったのかしらね?永遠亭に来た事なんて昨日の事の様に思い出せるけどね」
 
そう私が言うと、
永淋は微笑んでこう語った。
 
「永遠亭に来てから本当に長い時間が経ったはずですよね。
 それに私たちが会ってからなんて言ったら更に長い年月が経ったはずですし。」
 
確かに永淋と会ってから考えると更に時間が経ったのだろう。
私のわがままに何時も付き合ってくれる大切な人だ。
たまには恩返しがしたいと思った。
 
「永淋!一つ聞いてくれる?」
 
昼食に行く前に私はある事を思いついたので永淋を呼び止めた。
 
「今日の夕食は私が作るわ!!」
 
威勢良くその発言をすると、永淋は、
まるで、何かの超常現象を見たかの様に呆然として目を丸くしていた。
 
「何?私の料理が食べれないって言うの?」
 
そう言うと、永淋は首を振り、
やっと出てきた言葉はこれだった。
 
「いや・・・姫様は料理上手だから別にそんな事思ってないんですけど、じゃあ宜しくお願いします」
 
いやの後に本当に続く言葉は、
働かない姫様が夕食を作るなんてどう言う吹き回しだろう。
まぁ気まぐれでしかないけど言ったからには頑張る事にした。
 
 
 
昼食を食べ終わった後、私は鈴仙に材料を買う様頼んだ。
シチューを作ろうと思ったのでその材料だった。
私は材料が届いたらシチューを作ろうと思ったので、
私は部屋の中で何時もの様に仰向けになって寝た。
見えるのは天井だけ声も何も聞こえない。
永淋は一人で薬を静かに作っていて、
鈴仙は買い物に行った。
ていは昼食を食べた後すぐに遊びにいってしまった。
当然静かなのは当たり前だった。
ぼーっと過ごして何時間が経った頃、誰かが永遠亭に入る音がした。
私は鈴仙が来たと思い、鈴仙を迎えに行くと何故か泥だらけの鈴仙がいた。
私はそれを見てこう尋ねる。
 
「何やったの?食材は無事でしょうね?」
 
すると、鈴仙は少し機嫌悪くこう言った。
 
「ていの落とし穴に落ちただけです!、食材は無事ですからどうぞ」
 
またていに悪戯されたそうだ。
私は少し呆れてそれを受け取る。
落とし穴に落ちたり、たらいを落とされるのなんてパターンが分かれば回避できるのに。
私はそれをもって台所に向かった。
 
普段永淋が掃除してくれているので、台所はとても綺麗だった。
私は尚更やる気が出て料理をする事にした。
 
食材を切るところから始まり、鍋で煮ていると、
とても良い臭いが漂ってきた。
私は少しだけ味見をしてみた。
大成功だった、この味なら皆喜んでくれるだろう。
私は鍋をそのまま運んだ。
 
部屋全体に良い臭いが行き渡り、永淋も鈴仙そして、ていまでもが私の料理を楽しみにしてそうな雰囲気だった。
そのまま取り分けをして、まず永淋が私の料理を食べた。
 
「美味しいです!!」
 
永淋からこの言葉を貰えた。
どうやらこれで恩返しができたかな。
すると、鈴仙やていも同意してくれた。
美味しい夕食と共に雑談し楽しい時は過ぎていった。
 
夕食を食べ終わると、永淋が私の部屋まで来ていた。
永淋は微笑んでこう言った。
 
「今日は有り難うございます、助かりました。
 料理も美味しかったですし、私よりずっと上手いですよ!
 後一つ聞いておいて良いですか?」
 
私は永淋の言葉に頷いた。
そうすると永淋は口を開いた。
 
「どうして、いきなり料理を作るなんて言い出したんですか?」
 
自然な質問だった。
私はこう答えた。
 
「永淋に恩返しがしたかったの、何時もお世話になってるから。
 後、今日の昼どれだけの時間が過ぎたかとか話したよね、
 でも私達にはまだ道が続いているから、永遠と言う名の道が
 だから、私は沢山の過去より未来を大切にしたいの。
 勿論永淋に会ってから今までの事私は忘れないでいると思うよ。
 だから、これは今までの永淋への恩返しと、これからも一緒にいて欲しいって事なの
 
一緒にいてくれるよね________________   」
 
料理をしている間に、私は別の答も見つけていた。
私が質問の答を答えると、
永淋は少し吃驚していた様だが、
すぐに永淋はこう言った。
 
「はい、ずっと一緒ですよ」
 
永淋がそう言って微笑むと、私も微笑んだ。
すると永淋はすぐに、
 
「じゃあ、これからは姫様が料理を作ってくれますね?」
 
そう問いかけられると私はそっぽを向いて、
機嫌悪くこう言った。
 
「今日は特別だって言ったでしょ、
 毎日なんて体がもたないわ!」
 
そう言い放つと永淋はやっぱりかみたいな顔をして、
笑った。
私も何となく笑った。
笑い声が永遠亭に響き、時の止まった永遠亭も
今だけは時が動き出したような気がした。